音はじめ 2018

recital 2018 hp

厳冬の候、暴れん坊冬将軍殿が日本列島に長居している様子ですが皆様健やかに新年をお過ごしでしょうか。私は年明け早々に待ち受けるリサイタルのため周囲から「クリスマスもお正月も(誕生日も)返上だねぇ」と憐れまれる裏で、クリスマスディナーやお節料理、バースデーケーキに舌鼓を打ちしっかりと英気を養っておりました。とはいえ、やはり10周年記念と銘打つリサイタルの重圧は半端なかったです!元旦から何とも表現し難い鉛色のモワァ~っとした緊張の渦に呑み込まれながら当日を迎えました。

今回のリサイタルのために昨秋から初めて取り組んだプーランクとシュトラウスのソナタ。当初は何とかギリギリいけるだろうと張り切っていたものの、この道ベテラン・プロフェッショナルな方々より「誰が選曲したの⁉」と口を揃えられ、、無鉄砲でなかなか無茶なプログラムだったようです(笑)

三浦友理枝さんとの阿吽の呼吸は長年共演の賜物だと唯一自負しているのですが、プログラムノートにも記述した『決死のアンサンブル』について、演奏会ならではの臨場感や生モノ・瞬間の産物であることを意識しながらも、とりわけリヒャルトに於いては今後長い時間を掛けて “決死” から “身を委ねる・ 滲み出る”ような音楽にしていきたいと強く思いました。もちろんプーランクもお気に入りのソナタの一つですので、”飛び出す絵本” の如く、ギュッと詰まったプーランクの拘り・3D化を目指します!( 余談ながらプーランクと同じ誕生日であることが発覚💕)

お寒い中、御足をお運び下さいました皆様に心より感謝申し上げます。皆様が温かく支えて下さる限り、路頭に迷いながらもこの音楽街道を歩んでまいります。

一つ裏話。前半第一部では靴を履き替えるのを忘れてしまいました;この日に限って派手な靴を履いて行ってしまい、御見苦しくて大変失礼致しました…m(__)m

 

seele nogata 2018

1月後半は先月に続いて再び直方へ。今回は通常モード、カルテットゼーレでの参上です。地域創造をキッカケに何気なく結成したゼーレも、なんと今年で9年目に突入!毎年活動の機会を与えて頂き、旅好き・食好き・人好きな私たちは、堅苦しさとは無縁ながら一曲ドカンと本気曲をメインプログラムに、様々なお客様へ弦楽四重奏に親しんで頂く音楽交流(グルメも大いに含む^^)をモットーとしております。毎度ながら真剣に活き活きと聴いてくれる小学校のアウトリーチ、そして素晴らしい木造平屋造り・歳時館でのコンサート、今回で5回目となるユメニティのおがた大ホールでの本公演ではその功績とまで言ってよいのかわかりませんが、敬遠されがちな弦楽四重奏の壁がなくなり、お客様に自然と浸透し始めているような一体感をどの現場でも感じました。

今回メイン曲はシューベルトの『死と乙女』ちょうど去年の今頃『カルテット』というドラマでも演奏されていましたね。名曲中の名曲ですが手腕が透けて見えてしまう最も職人色の強い弦楽四重奏という形態だからこそ、改めて「やっぱりシューベルトって天才だわー」と感心しながら、なかなか譜めくりのタイミングがなく長ーい帯状の楽譜に縮小コピーで大量発生のオタマジャクシ🎶を最小限の瞬きで追う40分間。私以外の3名は何度もこの死乙女の本番経験あり+名門オケメンバーのスペシャリストですので、アチコチで死の淵を徘徊する若葉マークな1st=私;をガッチリと支えて下さいました。礼賛!